
【診察室からの便り|総院長ブログ】その背中ニキビ、実は「カビ(マラセチア菌)」かも?顔とは違う原因と治療法
こんにちは、沖縄皮膚科医院 総院長の伊藤です。
夏が近づいて水着を着る機会が増えたり、ジムでのフィットネス、そして人生の大切なイベントであるブライダルを控えたりしているとき、ふと気になるのが「背中やデコルテのニキビ」。
「顔のニキビと同じケアをしているのに、なかなか治らない…」と一人で深く悩んでいませんか?
診察でも、
「顔のニキビは治ったのに、背中だけ繰り返します。」
「市販のニキビ薬を塗っているのに全然良くならなくて…」
というご相談をよくいただきます。
実は、背中やデコルテにできるニキビは、顔のニキビとは「原因菌」や「対処法」が違う場合が多いのです。今回は、知っているようで知らない「体ニキビ」の秘密と、当院での治療についてお話しします。
1. 顔と背中でこんなに違う!ニキビの「原因菌」
「ニキビといえばアクネ菌」というイメージが強いかもしれませんが、実は背中やデコルテのブツブツは、アクネ菌とは別の菌が原因になっていることが多々あります。
実際の診療では、「マラセチア毛包炎」という、カビ(真菌)の一種が原因で起こる皮膚炎が隠れていることがあるのです。
見た目はニキビによく似ていますが、原因が違えば治療も変わります。
だからこそ、「ニキビだと思っていたのに、なかなか治らない」ということが起こるのです。
| 項目 | 顔のニキビ(主に) | 背中・デコルテのニキビ(多くの場合) |
|---|---|---|
| 主な原因菌 | アクネ菌(細菌) | マラセチア菌(カビ・真菌の一種) |
| 菌の特徴 | 皮脂を好み、毛穴で増殖する | 誰もが持つ常在菌。高温多湿・汗を好む |
| 症状の名前 | 尋常性痤瘡(ニキビ) | マラセチア毛包炎 |
【注意】 背中にもアクネ菌によるニキビはできますが、カビの一種である「マラセチア菌」が原因で毛穴が炎症を起こしているケース(マラセチア毛包炎)が非常に多いのです。見た目は似ていても、原因菌の性質が根本的に異なります。
2. 対処法も全く違う!市販のニキビ薬が効かない理由
原因菌が違うということは、当然対処法や使うお薬も全く異なります。
顔のニキビ用(アクネ菌用)の市販薬を背中に一生懸命塗っても、原因がマラセチア菌(カビ)であれば、効果が出ないばかりか、かえって悪化させてしまうこともあります。
もちろん、背中のブツブツがすべてマラセチア毛包炎というわけではありません。一般的なニキビとマラセチア毛包炎が同時にみられることもあり、見た目だけで判断するのは難しいケースもあります。だからこそ、自己判断だけで治療を続けるより、一度皮膚科で確認することをおすすめしています。
背中やデコルテのニキビをきれいに治すためには、「今起きている炎症が、細菌によるものか、真菌(カビ)によるものか」を正しく見極め、それぞれに合った抗真菌薬や抗生物質を適切に使い分ける必要があります。
3. 今日からできる!体の洗い方ワンポイントアドバイス
普段の生活習慣を少し見直すだけでも、体ニキビの予防・改善につながります。今日からできる簡単なケアをご紹介します。
洗う順番を意識する: シャンプーやトリートメントの洗い残しが背中やデコルテに付着すると、毛穴詰まりの原因になります。体は「髪を洗った最後」に洗うようにしましょう。
ナイロンタオルでゴシゴシ擦(こす)らない: ナイロンタオルなどで強く擦ると、肌のバリア機能が低下し、菌が繁殖しやすくなります。たっぷりの泡を転がすように、手や布製のボディタオルで優しくしっかり洗いましょう。
汗をかいたら早めに拭き取る・着替える: マラセチア菌は湿度と汗が大好きです。フィットネスの後や汗をかいた後は、放置せずこまめに拭き取り、通気性の良い衣服を選んでください。

4. 悩む前に、まずは当院へご相談ください
背中やデコルテは自分では見えにくく、ケアもしづらいパーツです。「そのうち治るかも…」と放置していると、茶色いシミのようなニキビ跡(色素沈着)になってしまい、治るまでにさらに時間がかかってしまうこともあります。
特にドレスを着る予定のあるプレ花嫁様や、水着を着る予定がある、写真撮影を予定しているなど、肌を出す機会を控えている方は、一刻も早い段階での治療スタートが大切です。
当院では、お一人おひとりの肌状態を的確に診断し、原因菌に合わせた最適な処方(内服薬・外用薬)を行っています。「ずっとニキビだと思っていたけれど、実は違う病気だった。」そんなケースも少なくありません。なかなか改善しない背中ニキビでお悩みの方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
5. 当院の診察スタイルと患者様へのお願い
当院では一人ひとりの原因に合わせた適切な処方を行っていますが、保険診療の場合はあくまでも厚生省で認められた「保険診療」の枠組みの中での治療となるため、診察時のご説明は必要最小限となります。美容皮膚科(自費診療)のような長時間の個人カウンセリングのようなお時間を確保することは、制度上どうしても難しくなっております。
大変ありがたいことに毎日非常に多くの患者様にご来院いただいており、限られた診察時間の中でできるだけ多くのニキビに悩む方を診察するため、どうしてもテンポの早い診察になってしまいます。「診察が一瞬だった」と感じられることもあるかもしれませんが、短い診察時間の中でも、これまでの豊富な臨床経験からあなたのお肌の状態(細菌か、カビかなど)をしっかり見極めて処方していますので、どうぞご安心ください。
もちろん、自費診療をご希望の場合は、30分の「美容カウンセリング」をご用意しております。美容医療でのアプローチも可能です。
💡 短い時間でスムーズに診察を受けるためのコツ:
もし「これだけは聞いておきたい」という質問がある場合は、あらかじめメモにまとめてきていただけると、短い診察時間でも確実にお答えできます。ご協力いただけますと幸いです。
最後に
コンプレックスを自信に変えて、思いきりファッションを楽しめるツルツルの素肌を一緒に目指しませんか?まずは気軽にご来院ください。スタッフ一同、ご来院を心よりお待ちしております。
監修医師
伊藤誠・沖縄皮膚科医院 理事長/総院長
・琉球大学医学部卒
・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
・日本皮膚科学会認定皮膚科指導医
・難病指導医
・小児慢性特定疾病指定医