マラセチア毛包炎|沖縄皮膚科医院 八重瀬クリニック|沖縄県南部エリアの皮膚科・美容皮膚科

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〒901-0401
沖縄県島尻郡八重瀬町
東風平1200番地5

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マラセチア毛包炎|沖縄皮膚科医院 八重瀬クリニック|沖縄県南部エリアの皮膚科・美容皮膚科

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マラセチア毛包炎 MALASSEZIA

皮膚の病気はとても数が多く、また診察時にすべてをお話しすることは難しいため、よくある病気の説明を記載しています。当院を受診される患者様の疾患理解と治療の一助となれば幸いです。気になることがあれば診察中に医師、看護師までお声かけください。

マラセチア毛包炎

別名、夏季ざ瘡(かきざそう)、背中ニキビ、胸ニキビ、体ニキビ。
通常のニキビ治療では効果が少ない。適切な治療と日常生活で再発を減らすセルフケアが重要。

マラセチア毛包炎は、皮膚に常在しているマラセチア菌というカビ(真菌)の一種が、毛穴の奥で異常に増殖することで起こる炎症性の皮膚疾患です。一般的なニキビ(ざ瘡)と症状が似ているため、誤ってニキビとして治療されているケースも少なくありません。
主な症状は、胸、背中、肩、首、腕の付け根(上腕)など、皮脂腺が多い部位にできる、赤い小さなブツブツ(丘疹)や膿を持ったニキビのような発疹です。これらの発疹はかゆみを伴うことが多く、特に汗をかいた時や入浴後に強いかゆみを感じることが特徴です。一般的なニキビと異なり、発疹の大きさや形が均一で、コメド(毛穴の詰まり)が見られないことが多い傾向にあります。放置すると、症状が慢性化して広範囲に及んだり、見た目の問題で悩んだりすることがあります。マラセチア毛包炎は、適切な診断と治療が遅れると、なかなか治らず、症状に悩まされ続けることになります。早期に皮膚科での診断を受け、適切な治療を開始することが、症状の改善と再発予防のために非常に重要です。

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マラセチア毛包炎の主な原因と誘発要因

ポイント

マラセチア毛包炎の直接的な原因は、皮膚の常在菌であるマラセチア菌の異常増殖です。この菌が毛穴に入り込み、炎症を引き起こすには、特定の環境や状況が関係しています。

主な原因

・マラセチア菌の異常増殖:
皮膚の毛穴の周辺に常に存在するマラセチア菌(Malassezia属菌)が、何らかのきっかけで異常に増殖することで発症します。この菌は皮脂を栄養源としており、皮脂の多い環境で活発になります。

日常生活で症状を悪化させる誘発要因

・高温多湿な環境:マラセチア菌は高温多湿な環境を好みます。
 ・夏場:汗をかきやすく、湿度が高い夏場に特に発症しやすく、悪化しやすい傾向があります。
 ・梅雨の時期:高湿度も菌の増殖を促します。
・汗をかきやすい体質・状況:
 ・多汗症:汗をかきやすい方は、皮膚が湿潤な状態になりやすく、毛穴が詰まりやすくなることで、マラセチア菌が増殖しやすくなります。
 ・運動:スポーツなどで大量の汗をかく機会が多いと、マラセチア毛包炎のリスクが高まります。
・皮脂の過剰分泌:皮脂腺が発達している部位(胸、背中、顔、肩、首など)は、マラセチア菌の栄養源が豊富であるため、マラセチア毛包炎ができやすい場所です。
 ・思春期以降:ホルモンバランスの変化により皮脂分泌が増える時期は、マラセチア毛包炎も発症しやすくなります。
 ・オイリー肌:皮脂分泌が活発な肌質の方も、なりやすい傾向があります。
・不適切な衛生状態:汗をかいた後、シャワーを浴びずにそのままにする、肌着をこまめに着替えないなど、皮膚を清潔に保たないと菌が増殖しやすくなります。
・間違ったスキンケア:
 ・ニキビ治療薬の誤用:一般的なニキビ薬(抗菌薬など)を使い続けると、マラセチア菌以外の細菌が減少し、マラセチア菌だけが増殖しやすい環境を作ってしまうことがあります。
 ・油分の多い化粧品や日焼け止め:毛穴を詰まらせる可能性があり、マラセチア菌の栄養源にもなりえます。
・免疫力の低下:疲労、ストレス、睡眠不足、病気(糖尿病など)、ステロイド剤や免疫抑制剤を服用している場合など、体の免疫力が低下していると、マラセチア菌が異常に増殖しやすくなります。

「マラセチア毛包炎はニキビと同じだからニキビ薬で治る」「せっけんを変えれば治る」といった誤解がありますが、原因菌が異なるため、適切な抗真菌薬での治療が必要です。不適切なケアはかえって悪化させる可能性があります。

マラセチア毛包炎の治療法

主な治療法

マラセチア毛包炎の治療は、毛穴の奥で異常増殖しているマラセチア菌を確実に死滅させることが主な目的です。症状が改善したように見えても、カビの増えやすい環境があると再発を繰り返すため、根気強い治療とセルフケアを続けることが非常に重要です。

外用薬(塗り薬)

・抗真菌薬:
マラセチア毛包炎の治療の基本は、マラセチア菌の増殖を抑えたり、殺菌したりする作用のある抗真菌薬の外用です。クリーム、液剤、スプレーなど様々なタイプがあり、感染部位や症状に合わせて選択します。
症状のある部分だけでなく、皮脂の多い周囲の皮膚にも広めに塗布することが重要です。
見た目の症状が改善しても、菌が減少するまで、最低でも数週間から1ヶ月程度は毎日塗り続ける必要があります。特に夏場など再発しやすい時期は、予防的に塗布を続けることも推奨されます。

抗真菌作用のあるボディソープ・シャンプー

頭部や背中、胸など広範囲に症状がある場合に、体全体を洗う形で使用する特殊なシャンプーやボディソープ(硫化セレンやミコナゾール硝酸塩など、抗真菌成分を含むもの)を用いることがあります。週に数回使用することで、菌の数を減らし、症状を改善させます。

内服薬(飲み薬)

以下のような場合に、抗真菌薬の内服が検討されます。
・外用薬では効果が見られない、あるいは症状が広範囲に及ぶ場合。
・再発を繰り返すなど、難治性のマラセチア毛包炎の場合。
内服薬は肝臓の機能に影響を与える可能性や、他の薬剤との飲み合わせに注意が必要な場合があるため、状況によって服用中は定期的な血液検査などを行い、医師の管理下で安全に進めます。

・漢方薬:排膿促進や抗炎症作用、体質改善、ホルモンバランスの調整を目的に処方されることがあります。

かゆみに対する治療

・抗ヒスタミン薬の内服:
強いかゆみを伴う場合に、かゆみを和らげる目的で処方されることがあります。

原因菌の特定(顕微鏡検査)

通常は皮疹や部位から視診で診断します。ニキビと区別が難しい場合は、マラセチア毛包炎を正確に診断するため、患部の膿や皮膚の表面の一部を採取し、特殊な染色をしてから顕微鏡でマラセチア菌がいるかどうかを確認する検査を行う場合もございます。これにより、一般的なニキビや他の皮膚病との鑑別を行い、確実にマラセチア毛包炎であると診断した上で、適切な治療を開始します。この検査は軽度の痛みを伴う場合もありますが、数分で結果が出ます。

当院では、皮膚科専門医である院長が常駐しており、マラセチア毛包炎の診断と治療に関して豊富な経験と知識を持っています。患者さんの症状を正確に診断し、最新の治療法を組み合わせながら、再発を防ぐためのアドバイスも丁寧に行います。患者さんが安心して治療に取り組めるよう、きめ細やかなサポートを心がけています。

日常生活でできること・セルフケアのポイント

具体的な対策

マラセチア毛包炎の治療効果を高め、再発を防ぐためには、毎日の正しいセルフケアと生活習慣の見直しが非常に重要です。特に、マラセチア菌が増殖しやすい高温多湿な環境や皮脂過多の状態を避ける工夫が大切です。

皮膚を清潔に保ち、しっかり乾燥させる

汗をかいたら、できるだけ早くシャワーを浴びたり、清潔なタオルで拭き取ったりして、皮膚を清潔に保ちましょう。入浴時やシャワー時に、皮脂や汗の分泌が多い胸、背中、肩などは丁寧に洗いましょう。ナイロンタオルではなく、柔らかくて肌触りがよいコットンなど天然素材のボディタオルやボディブラシで、十分な泡を使い軽く擦り洗いすることがコツです。洗った後は、タオルで水気を丁寧に拭き取り、完全に乾燥させることが重要です。特に、髪の生え際や首なども忘れずに乾燥させましょう。
マラセチア菌は高温多湿な環境で増殖するため、皮膚を清潔で乾燥した状態に保つことで、菌の繁殖を抑えられます。

衣類の選び方と管理

吸湿性・通気性の良い素材の衣類を選びましょう。綿などの天然素材、または速乾性の高い機能性素材の肌着や衣類を選び、汗をかいたらこまめに着替えるようにしましょう。濡れた衣類を長時間着用するのは避けましょう。
汗や湿気がこもりやすい衣類は、菌の増殖を促します。通気性の良い衣類を選ぶことで、皮膚を常に乾燥した状態に保ちやすくなります。

皮脂分泌のコントロール

皮脂の過剰分泌が気になる場合は、洗顔料やボディソープを見直しましょう。刺激の少ない、適度な洗浄力の製品を選び、皮脂が多い部位は丁寧に洗いましょう。ただし、洗いすぎはかえって皮膚を乾燥させ、バリア機能を低下させることもあるので注意が必要です。油分の多い化粧品や日焼け止めは避け、ノンコメドジェニック製品を選ぶのがおすすめです。
マラセチア菌は皮脂を栄養源とします。皮脂分泌を適切にコントロールすることで、菌の増殖を抑えることができます。

生活習慣の見直し

疲労やストレスを避け、十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけましょう。免疫力の低下は、マラセチア菌の異常増殖を許してしまう原因の一つです。健康的な生活習慣は、体の免疫力を保ち、病気への抵抗力を高めます。

掻き壊しの防止

かゆみがあっても、掻きむしらないようにしましょう。掻くことで皮膚が傷つき、症状が悪化したり、二次的な細菌感染を併発したりする原因になります。爪は短く切り、夜間無意識に掻いてしまう場合は手袋を着用するのも有効です。

やってはいけないこと・避けるべきこと

・自己判断で薬の使用を中断する:症状が改善したように見えても、マラセチア菌が完全に死滅しているとは限りません。医師の指示なく治療を中断すると、再発する可能性が非常に高いため、必ず最後まで治療を続けましょう。特に夏場は菌が活発になりやすいため、症状がなくても予防的にケアを続ける必要がある場合もあります。
・一般的なニキビ薬を使用し続ける:マラセチア毛包炎に一般的なニキビ薬(特に抗菌薬)を漫然と使用すると、他の菌が減り、マラセチア菌だけが増殖する原因となることがあります。
・症状がある部位をゴシゴシ洗う:皮膚を傷つけ、炎症を悪化させる可能性があります。
・油分の多いボディクリームなどを過剰に塗る:マラセチア菌の栄養源となり、症状を悪化させる可能性があります。

よくある質問(FAQ)

Q

マラセチア毛包炎と普通のニキビ(ざ瘡)はどう違うのですか?

A

マラセチア毛包炎と普通のニキビは、見た目が似ていますが、原因菌が異なります。
・普通のニキビ(ざ瘡)は、主にアクネ菌と皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まりが原因で起こります。コメド(毛穴の詰まり)が見られることが特徴です。
・マラセチア毛包炎は、皮膚の常在菌であるマラセチア菌(カビの一種)が毛穴で増殖して炎症を起こすことが原因です。発疹の大きさや形が比較的均一で、かゆみを伴うことが多く、コメドは通常見られません。
原因菌が異なるため、治療法も異なり、マラセチア毛包炎には抗真菌薬が有効です。通常は皮疹や部位から視診で診断します。ニキビと区別が難しい場合は、マラセチア毛包炎を正確に診断するため、患部の膿や皮膚の表面の一部を採取し、特殊な染色をしてから顕微鏡でマラセチア菌がいるかどうかを確認する検査を行う場合もございます。

Q

マラセチア毛包炎は人から人へうつりますか?

A

マラセチア菌は、もともと誰の皮膚にも存在する「常在菌」です。そのため、水虫のように人から人へ「感染してうつる」というよりは、ご自身の皮膚にいる菌が、高温多湿や皮脂過多といった条件が揃ったときに、異常に増殖して発症するという病気です。過度に心配する必要はありませんが、念のため衣類やタオル、寝具などを清潔に保つことは大切です。

Q

マラセチア毛包炎はかゆみがあるのが特徴ですか?かゆみがない場合は別の病気ですか?

A

マラセチア毛包炎は、かゆみを伴うことが多いのが特徴です。特に、汗をかいたり、入浴して体が温まったりした時にかゆみが強くなる傾向があります。しかし、すべての方が強いかゆみを感じるわけではなく、かゆみがほとんどない方もいらっしゃいます。かゆみの有無だけで診断を決めつけることはできませんので、症状が気になる場合は皮膚科を受診し、顕微鏡検査で原因菌を確認することが重要です。

Q

マラセチア毛包炎はどのような場所にできやすいですか?顔にもできますか?

A

マラセチア毛包炎は、皮脂腺が多い部位、特に汗をかきやすい場所にできやすい傾向があります。具体的には、胸、背中、肩、首、腕の付け根(上腕)などが典型的な発生部位です。顔にもできることはありますが、顔のニキビはアクネ菌が原因の普通のニキビであることが多いため、鑑別が必要です。まれに、おでこの生え際や髪の生え際にできることもあります。

Q

マラセチア毛包炎の治療期間はどれくらいかかりますか?症状がなくなったら薬をやめてもいいですか?

A

マラセチア毛包炎の治療期間は、症状の程度や広がりにもよりますが、通常は数週間から1ヶ月程度の外用薬塗布が必要です。症状が改善したように見えても、マラセチア菌が完全にいなくなっていないことがほとんどです。医師の指示に従い、菌が減少するまで(通常は症状が消えてからさらに数週間)治療を継続することが、再発を防ぐために最も重要です。特に夏場は菌が活発になりやすいため、症状がなくても予防的に抗真菌作用のあるボディソープなどを使用するよう指導することもあります。

Q

マラセチア毛包炎の再発を防ぐために、日常生活で他にできることはありますか?

A

再発を防ぐためには、以下の点に注意し、マラセチア菌が増殖しにくい環境を保つことが大切です。
・汗をかいたらすぐに拭き取る、シャワーを浴びるなど、皮膚を常に清潔で乾燥した状態に保つ。
・通気性の良い、吸湿性の高い衣類を選び、汗をかいたらこまめに着替える。
・油分の多いボディクリームや日焼け止めの使用を控える。代わりに、さっぱりとしたジェルタイプやオイルフリーの製品を選びましょう。
・皮脂の過剰分泌を抑えるような洗顔・ボディケアを心がける。
・体質的に再発しやすい方や、夏場には、予防的に抗真菌作用のあるボディソープやシャンプーを継続して使用することも有効です。

このような場合はご相談ください

TROUBLE

以下のような症状や状況に当てはまる場合は、一人で悩まず、お気軽に当院にご相談ください。

  • 胸、背中、肩、首などに、ニキビに似た赤いブツブツや膿疱があり、市販のニキビ薬では改善しない
  • これらの発疹がかゆみを伴い、特に汗をかいた時や入浴後に強くかゆくなる
  • ニキビのような症状なのに、コメド(毛穴の詰まり)が見られない
  • 夏場や汗をかきやすい時期に症状が悪化する、または毎年繰り返す
  • 過去にニキビとして治療を受けてきたが、なかなか治らず、再発を繰り返している
  • ご自身の症状がマラセチア毛包炎なのか、他の皮膚病なのか判断に迷う
  • マラセチア毛包炎の正しい治療法や、再発予防のための日常生活の注意点について詳しく知りたい

24時間WEB予約受付中

マラセチア毛包炎は、正確な診断を受け、適切な治療と日々のセルフケアを続けることで、必ず改善が見込めます。当院の皮膚科専門医が、患者さん一人ひとりの肌の状態と症状を正確に診断し、最適な治療法と生活指導をご提案いたします。「ここに来れば大丈夫」と安心していただけるよう、全力でサポートさせていただきますので、どんな些細なことでもお声がけください。

監修医情報

略歴
  1. 2003年

    名古屋工業大学 卒業後
    愛知県名古屋市の建築設計会社 勤務

  2. 2008年

    琉球大学医学部 入学

  3. 2014年

    ハートライフ病院 初期研修

  4. 2016年

    琉球大学皮膚科 入局
    皮膚科学講座助教、病棟医長を経て、

  5. 2023年

    沖縄皮膚科医院 開業

資格・所属学会
  • 日本皮膚科学会
  • 日本小児皮膚科学会
  • 日本アレルギー学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本皮膚悪性腫瘍学会
  • 日本皮膚免疫アレルギー学会
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
  • 日本皮膚科学会認定皮膚科指導医
  • 難病指導医
  • 小児慢性特定疾病指定医