皮膚の病気はとても数が多く、また診察時にすべてをお話しすることは難しいため、よくある病気の説明を記載しています。当院を受診される患者様の疾患理解と治療の一助となれば幸いです。気になることがあれば診察中に医師、看護師までお声かけください。
まつ毛の悩みとは
まれに、甲状腺機能の異常や円形脱毛症などの病気が原因でまつ毛が抜けることがあります。
まつ毛貧毛症のお悩みには自費の外用薬もあります。
まつ毛は、目の印象を大きく左右するだけでなく、目の中にゴミやホコリが入るのを防ぐ、大切な役割を担っています。しかし、まつ毛に関する悩みは多岐にわたり、多くの方がその問題に直面しています。
主なまつ毛の悩みには、以下のようなものがあります。
・まつ毛が短い、少ない、細い:
生まれつきの体質や加齢によって、まつ毛の長さや密度が物足りなく感じることがあります。
・まつ毛の抜け毛・切れ毛:
ビューラーの使いすぎ、マスカラのクレンジング不足、目を擦る癖、栄養不足、ストレスなどが原因で、まつ毛が抜けやすくなったり、途中で切れてしまったりします。
・まつ毛の生え際のかゆみ、赤み、炎症:
マスカラやアイライナーなどの化粧品による刺激、メイク汚れの残存、まつ毛ダニ(デモデックス)の寄生、アレルギー反応などによって、まつ毛の生え際に炎症が起き、かゆみや赤みを伴うことがあります。
・逆さまつ毛(睫毛内反症):
まつ毛が眼球の方向に向かって生えてしまい、目に触れて刺激を与える状態です。痛み、異物感、充血、涙目などの症状を引き起こし、ひどい場合は角膜を傷つけ、視力低下の原因となることもあります。
・まつ毛の白髪:
加齢やストレス、栄養不足などが原因で、まつ毛の色が白っぽくなることがあります。
これらのまつ毛の悩みは、見た目の印象に影響を与えるだけでなく、目の健康にも関わることがあります。特に、炎症や逆さまつ毛は、放置すると目の病気に繋がる可能性もあるため、自己判断せずに、適切なケアや治療を行うことが大切です。まつ毛の悩みを感じたら、まずは皮膚科専門医にご相談いただき、ご自身のまつ毛の状態を正確に把握することから始めましょう。
24時間WEB予約受付中
まつ毛トラブルの主な原因
ポイント
健康で美しいまつ毛を保つためには、まつ毛トラブルがなぜ起こるのか、その原因と誘発要因を理解することが重要です。日頃の習慣や体の状態が、まつ毛に影響を与えていることがあります。
物理的刺激・外的ダメージ
・ビューラーの使いすぎや誤った使用法:
まつ毛を強く挟みすぎたり、引っ張ったりすることで、まつ毛が抜けたり、切れたりする主要な原因となります。
・クレンジング不足や不適切な方法:
マスカラやアイライナーがまつ毛の根元に残ったままだと、毛穴を詰まらせ、炎症やまつ毛の成長阻害に繋がります。また、ゴシゴシ擦るようなクレンジングは、まつ毛に大きな負担をかけます。
・目を擦る癖:
アレルギー性結膜炎やドライアイなどで目を擦る習慣がある方は、無意識のうちにまつ毛に負担をかけ、抜け毛や切れ毛を誘発します。
・まつ毛パーマやエクステンションの負担:
施術による薬剤や接着剤の刺激、または不適切な施術は、まつ毛自体や毛根にダメージを与え、まつ毛が細くなったり抜けやすくなったりする原因となります。
炎症・アレルギー反応
・化粧品による刺激・アレルギー:
マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、クレンジング剤などに含まれる成分が、まつ毛の生え際や目元に刺激を与えたり、アレルギー反応(かぶれ)を引き起こしたりすることがあります。
・眼瞼炎(がんけんえん):
まぶたの縁の炎症で、細菌感染、脂漏性(皮脂の過剰分泌)、アレルギーなどが原因で起こります。まつ毛の生え際が赤く腫れ、かゆみ、フケのようなもの(落屑)が見られ、まつ毛が抜けやすくなることがあります。
・まつ毛ダニ(デモデックス)の寄生:
毛根や皮脂腺に寄生するダニの一種で、かゆみ、炎症、抜け毛の原因となることがあります。
ホルモンバランスの変化・加齢
加齢とともに、髪の毛と同様にまつ毛も細く、短くなり、密度が低下する傾向があります。ホルモンバランスの変化も影響することがあります。
出産後や更年期など、ホルモンバランスが大きく変動する時期に、一時的にまつ毛が抜けやすくなることがあります。
栄養不足・生活習慣の乱れ
極端なダイエットや偏った食生活は、まつ毛の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足し、まつ毛の成長を妨げることがあります。
睡眠不足、ストレス、喫煙なども、血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、まつ毛の健康に悪影響を与える可能性があります。
病気や薬の影響
甲状腺機能亢進症や低下症などの内分泌疾患、円形脱毛症の一部としてまつ毛が抜けることがあります。
特定の薬剤(例:一部の抗がん剤や緑内障治療薬の一部など)の副作用で、まつ毛が薄くなったり、抜けたりすることがあります。
これらの原因や誘発要因を理解し、日々の生活習慣を見直すことが、まつ毛のトラブルを予防し、健康なまつ毛を育むための第一歩です。気になる症状がある場合は、「まつ毛だから仕方ない」と諦めずに、皮膚科専門医にご相談ください。
まつ毛トラブルの治療法
主な治療法
まつ毛の悩みは多岐にわたるため、その原因を正確に診断し、症状に合わせた適切な治療を行うことが重要です。当クリニックでは、患者さんのまつ毛の状態と悩みを丁寧にカウンセリングし、最適な治療法をご提案しています。
当クリニックでは、皮膚科専門医の院長が、まつ毛のトラブルの根本原因を見極め、医学的根拠に基づいた治療を提供しています。見た目の美しさだけでなく、目の健康にも配慮し、安全で効果的な治療を心がけています。
薬による治療
・まつ毛貧毛症治療薬(グラッシュビスタ® / ルミガン® / ビマトプロストなどの外用薬):
まつ毛が短い、少ない、細いといった「まつ毛貧毛症」に対して、厚生労働省に認可された医療用医薬品です。有効成分が毛周期に作用し、まつ毛の成長を促進し、長く、太く、濃いまつ毛へと導きます。多くの場合、数週間から数ヶ月で効果を実感できます。継続して使用することで、効果が維持されます。
・炎症・感染に対する外用薬・内服薬:
まつ毛の生え際の赤み、かゆみ、膿などの炎症や感染がある場合は、ステロイド外用薬や抗菌薬入りの外用薬、または抗生物質の内服薬を処方します。まつ毛ダニ(デモデックス)が原因の場合は、専用の駆除薬を用いることもあります。
適切なスキンケア・生活指導
・正しい洗顔とクレンジング方法の指導:
まつ毛や目元に負担をかけない、優しい洗顔・クレンジング方法を具体的に指導します。メイク汚れをきちんと落とすこと、目元を擦らないことの重要性をお伝えします。
・ビューラーやマスカラの適切な使用法:
まつ毛への負担を減らすためのビューラーの使い方や、マスカラの選び方、落とし方についてアドバイスします。
・栄養指導:
まつ毛の成長に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを意識した食生活のアドバイスを行います。
・生活習慣の改善:
睡眠不足やストレスの軽減、目を擦る癖の改善など、まつ毛の健康を阻害する生活習慣の見直しをサポートします。
逆さまつ毛(睫毛内反症)に対する治療
・抜去(ばっきょ):
眼球に触れているまつ毛をピンセットで抜く処置です。一時的な対処法であり、また生えてくると再発します。
・電気分解法:
毛根に細い針を刺し、電気を流して毛根を破壊する治療法です。永続的な効果が期待できますが、数回行う必要がある場合もあります。
・手術:
まつ毛の向きを根本的に改善するため、まぶたの構造を修正する外科手術です。症状の程度や原因によって、眼科や形成外科と連携して治療を進める場合があります。
当院では、単に症状を抑えるだけでなく、まつ毛のトラブルの原因を突き止め、再発防止に向けた総合的なケアを提供しています。患者さんのライフスタイルや、使用している化粧品なども考慮し、具体的なアドバイスを行います。まつ毛の悩みはデリケートな問題ですので、安心してご相談いただける環境を整えております。
日常生活でできること・セルフケアのポイント
具体的な対策
正しい洗顔とクレンジング
マスカラやアイライナーなどのアイメイクは、毎日完全に落としましょう。
・ポイントメイク落としを使用:
アイメイク専用のリムーバーをコットンに含ませ、まぶたの上に数秒置いてなじませます。その後、擦らず優しく拭き取るようにしてメイクを落とします。
・洗顔:
洗顔料をよく泡立て、まつ毛の生え際も泡で優しく撫でるように洗います。ゴシゴシ擦るとまつ毛が抜けたり切れたりする原因になるので、絶対に避けましょう。
・すすぎ:
ぬるま湯で、洗顔料が残らないようにしっかりと洗い流します。
メイク汚れが残ると、毛穴が詰まり、炎症やまつ毛の成長阻害に繋がります。また、不適切なクレンジングはまつ毛に物理的なダメージを与えます。
ビューラーやマスカラの適切な使用
まつ毛への負担を最小限に抑えるよう、ビューラーやマスカラを正しく使いましょう。誤った使用法は、まつ毛の抜け毛や切れ毛の直接的な原因となります。
・ビューラー:
根元、中間、毛先の3段階で優しく挟み、軽く力を入れて持ち上げます。強く挟みすぎたり、引っ張り上げたりしないようにしましょう。ゴムは定期的に交換し、清潔に保ってください。
・マスカラ:
根元から毛先に向かって、一度塗りか二度塗り程度で十分です。重ね塗りしすぎると、まつ毛が重くなり、負担が増えます。ウォータープルーフタイプは落ちにくい分、クレンジング時の負担も大きいため、日常使いは避けるか、アイメイク専用リムーバーを必ず使いましょう。
目元への刺激を避ける
目を擦る癖や、不必要な刺激を避けましょう。かゆみがある場合は、目を擦るのではなく、冷たいタオルで冷やしたり、かゆみ止めを塗ったりして対処しましょう。アレルギーがある場合は、アレルギーの原因物質を避ける対策も重要です。就寝時は、うつ伏せで寝るのを避け、まつ毛が枕に擦れないように気をつけましょう。 また、目を擦る行為は、まつ毛の抜け毛だけでなく、まぶたの皮膚にもダメージを与え、色素沈着やシワの原因にもなりますので注意しましょう。
栄養と生活習慣の見直し
バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの軽減を心がけましょう。内側からのケアは、まつ毛を健康に育てるための土台となります。
・食事:
まつ毛の主成分であるタンパク質をしっかり摂取し、ビタミンA、C、E、B群、亜鉛などのミネラルも積極的に摂りましょう。
・睡眠:
肌や髪と同様に、まつ毛の成長も成長ホルモンが分泌される睡眠中に活発になります。質の良い睡眠を7〜8時間確保するようにしましょう。
・ストレス:
ストレスはホルモンバランスや血行に影響を与え、まつ毛の健康を損なうことがあります。適度な運動や趣味などでストレスを解消しましょう。
・喫煙:
喫煙は血行を悪くし、まつ毛に必要な栄養が行き渡りにくくなります。禁煙を検討しましょう。
まつ毛の健康は、日々の小さな習慣によって大きく左右されます。これらのセルフケアを継続することで、まつ毛トラブルを予防し、美しく健康なまつ毛を育むことができます。すでにまつ毛に悩みがある場合や、ご自身でのケアに限界を感じる場合は、無理をせず、早めに皮膚科専門医にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
まつ毛美容液は効果がありますか?医療用のまつ毛治療薬との違いは何ですか?
まつ毛美容液は、まつ毛にハリやコシを与え、切れ毛や抜け毛を防ぐための保湿成分や補修成分が含まれています。まつ毛の「ケア」を目的とした化粧品であり、まつ毛を「育てる」効果を謳うものは基本的にはありません。一方、医療用のまつ毛治療薬(例:グラッシュビスタ® / ルミガン® / ビマトプロスト)は、有効成分が毛包に作用し、まつ毛の成長期を延長することで、まつ毛を長く、太く、濃くする効果が科学的に認められています。医療用のまつ毛治療薬は医師の診察と処方が必要です。
まつ毛がよく抜けます。何か病気の可能性がありますか?
まつ毛は、髪の毛と同様に自然なサイクルで抜け替わるものですが、異常に抜け毛が多い場合は、いくつかの原因が考えられます。
・物理的ダメージ:
ビューラーやマスカラの誤った使い方、クレンジング不足、目を擦る癖などが主な原因です。
・炎症・感染:
まつ毛の生え際の炎症(眼瞼炎)や、まつ毛ダニ(デモデックス)の寄生によって抜け毛が増えることがあります。
・栄養不足・生活習慣の乱れ:
過度なダイエットやストレス、睡眠不足なども影響します。
・全身疾患:
まれに、甲状腺機能の異常や円形脱毛症などの病気が原因でまつ毛が抜けることがあります。
自己判断せずに、まずは皮膚科を受診し、原因を特定することをおすすめします。
まつ毛パーマやまつ毛エクステは、まつ毛に負担がかかりますか?
はい、まつ毛パーマやまつ毛エクステンションは、まつ毛に負担がかかる可能性があります。
・まつ毛パーマ:
パーマ液の薬剤による刺激や、施術時の物理的な負担で、まつ毛が傷んだり、切れたり、抜けやすくなることがあります。
・まつ毛エクステンション:
接着剤によるアレルギー反応、エクステの重みによる自まつ毛への負担、不衛生な状態での施術による感染などが起こりえます。
まつ毛の健康を保つためには、信頼できるサロンを選び、異常を感じたらすぐに中断し、皮膚科を受診することが大切です。
逆さまつ毛(睫毛内反症)は治せますか?
はい、逆さまつ毛は治療が可能です。症状が軽い場合は、眼球に触れているまつ毛を定期的に抜く処置(抜去)が行われますが、一時的な対処法です。根本的な治療としては、毛根を破壊する電気分解法や、まぶたの構造を改善する手術が有効です。特に小さなお子さんの場合は、成長とともに改善することもありますが、症状が強い場合や、角膜に傷がついている場合は、早期の治療を検討します。
目に不快感がある場合は、視力への影響も考慮し、早めに眼科を受診してください。
まつ毛を増やすために、食生活で気を付けることはありますか?
まつ毛の健康的な成長を促すためには、バランスの取れた食生活が非常に重要です。
・タンパク質:
まつ毛の主成分はタンパク質なので、肉、魚、卵、大豆製品などを積極的に摂りましょう。
・ビタミン類:
皮膚や毛髪の健康に欠かせないビタミンA、B群(特にビオチン)、C、Eを意識して摂取しましょう。緑黄色野菜、果物、ナッツ類などに豊富に含まれています。
・ミネラル:
亜鉛(牡蠣、牛肉など)は毛髪の成長に必要なミネラルです。
男性でもまつ毛の治療を受けることはできますか?
はい、男性でもまつ毛の治療を受けることは可能です。 まつ毛が少ない、細いといった悩みは性別に関わらず存在します。当クリニックでは、男性の患者さんからのご相談も承っており、まつ毛貧毛症治療薬の処方や、まつ毛トラブルに対する適切な診断・治療を提供しています。見た目の改善だけでなく、目の健康維持のためにも、気になることがあればお気軽にご相談ください。
このような場合はご相談ください
以下のような症状や状況の場合は、自己判断せずに、お気軽に当クリニックにご相談ください。
まつ毛が異常に抜ける、または急に細くなった、少なくなったと感じる
まつ毛の生え際が赤く腫れている、かゆい、フケのようなものがある
目の周りが荒れる、湿疹ができる(化粧品によるアレルギーの可能性)
まつ毛が目に触れて、異物感、痛み、充血、涙目などの症状がある(逆さまつ毛の可能性)
まつ毛がビューラーでよく切れる、または傷んでいる
市販のまつ毛美容液を使っているが効果がない、またはかえって刺激を感じる
まつ毛の悩みが、日常生活に支障をきたしている
ご自身のまつ毛の悩みが、何が原因なのか分からない
24時間WEB予約受付中
「こんな小さなことでも診てもらえるの?」「どこに相談したらいいか分からない」といった不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、まつ毛のトラブルは、専門的な診断と治療によって改善できるケースが多くあります。
当クリニックには皮膚科専門医が常駐しており、患者さんのまつ毛の状態を丁寧に診察し、それぞれの悩みに合わせた最適な治療計画をご提案いたします。美しく健康なまつ毛を取り戻し、自信を持って毎日を過ごせるよう、全力でサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
監修医情報
略歴
-
2003年
名古屋工業大学 卒業後
愛知県名古屋市の建築設計会社 勤務 -
2008年
琉球大学医学部 入学
-
2014年
ハートライフ病院 初期研修
-
2016年
琉球大学皮膚科 入局
皮膚科学講座助教、病棟医長を経て、 -
2023年
沖縄皮膚科医院 開業
資格・所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本小児皮膚科学会
- 日本アレルギー学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本皮膚悪性腫瘍学会
- 日本皮膚免疫アレルギー学会
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会認定皮膚科指導医
- 難病指導医
- 小児慢性特定疾病指定医