皮膚の病気はとても数が多く、また診察時にすべてをお話しすることは難しいため、よくある病気の説明を記載しています。当院を受診される患者様の疾患理解と治療の一助となれば幸いです。気になることがあれば診察中に医師、看護師までお声かけください。
三日ばしか(風疹)とは
非常に感染力の強いウイルスで、特効薬はありません。
怖い合併症もあるため、予防にはワクチンが重要です。小児科で相談しましょう。
三日ばしかは、医学的には風疹(ふうしん)と呼ばれ、風疹ウイルスというウイルスが体に感染することで起こる病気です。感染力が強く、咳やくしゃみなどのしぶきを吸い込んだりすることで人から人へうつります。その名の通り、発熱や発疹が3日程度でおさまると言われることがありますが、症状の出方には個人差があります。特に小さなお子さんによく見られますが、成人になってからかかることもあり、その場合は子どもより重症化しやすい傾向があります。
主な症状は、以下の3つが特徴です。
・発熱:
高熱になることは稀で、微熱程度か、熱が出ないお子さんもいます。
・発疹:
顔や首から始まり、体の中心部、腕、脚へと全身に広がる、小さくて淡いピンク色の発疹です。麻疹(はしか)の発疹ほど鮮やかではなく、かゆみも少ないことが多いです。
・リンパ節の腫れ:
首の後ろや耳の後ろのリンパ節が腫れて、触ると痛むことがあります。
風疹は、ほとんどの場合、特別な治療をしなくても1週間程度で自然に治る比較的軽い病気です。しかし、最も注意しなければならないのは、妊娠初期の女性が風疹にかかってしまうことです。 妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんに先天性風疹症候群(CRS)という重い障害(心臓の病気、目や耳の障害など)が起こる可能性があります。
お子さんに風疹が疑われる症状が見られたら、すぐに小児科などの医療機関に電話連絡した上で、受診の指示に従いましょう。 特に周りに妊婦さんがいる可能性も考慮し、感染拡大を防ぐために迅速な対応が重要です。
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三日ばしか(風疹)の主な原因と感染経路
ポイント
三日ばしか(風疹)は、風疹ウイルスへの感染が直接的な原因です。このウイルスは、人から人へ主に飛沫感染でうつります。
主な原因
・風疹ウイルスへの感染:
風疹の直接の原因は、風疹ウイルスというウイルスの感染です。このウイルスは、感染した人の体内で増殖し、特徴的な症状を引き起こします。
一度風疹にかかって発症すると、体の中にウイルスに対する免疫(抗体)ができるため、基本的には再び風疹にかかることはないといわれています。ただし、免疫が不十分な場合や、時間とともに抗体が減少した場合に、ごくまれに再感染する可能性もあります。
感染経路と感染しやすい時期
・飛沫感染:
感染しているお子さん(または大人)が咳やくしゃみ、会話などで飛び散るしぶき(飛沫)を吸い込むことで感染が広がります。比較的近い距離(2メートル程度)での接触で感染しやすいです。
・接触感染:
感染しているお子さんの鼻水や唾液、発疹などに直接触れたり、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ったりすることで感染することもあります。
・感染しやすい時期:
風疹ウイルスは、発疹が出始める前後の約1週間が最も感染力が高い期間です。特に発疹が出る1週間前から、発疹が出て2~3日後くらいまでが注意が必要です。感染しても症状が出ない「不顕性感染」の場合でも、他の人にウイルスをうつす可能性があります。
風疹は、症状が比較的軽いこともありますが、妊娠初期の女性に感染が広がると、先天性風疹症候群という深刻な問題を引き起こす可能性があるため、社会全体での予防が非常に重要です。 予防接種を受けることが、ご自身のお子さんだけでなく、将来を担う赤ちゃんを守るための最も有効で確実な予防法です。
三日ばしか・風疹の主な症状(お子さんの場合)
主な症状
発熱
熱が出ないお子さんも多いですが、熱が出ても微熱程度(37.5℃~38.5℃くらい)で、高熱になることは比較的稀です。熱は1~3日でおさまります。
発熱とともに発疹が出ることもあれば、熱が出ずに発疹だけが出ることもあります。
発疹
熱が出た日、またはその翌日くらいに、顔や首から始まり、数日のうちに体の中心部、腕、脚へと全身に広がる、小さくて淡いピンク色の発疹が出ます。
麻疹(はしか)の発疹ほど鮮やかではなく、発疹同士がくっついて大きな塊になることはあまりありません。
かゆみは少ないことが多いですが、時にかゆみを伴うこともあります。
発疹は、通常3日程度で目立たなくなり、跡を残さずきれいに消えていきます。
リンパ節の腫れ
首の後ろ(後頸部)や耳の後ろ(耳介後部)のリンパ節が腫れて、触ると痛むことがあります。発疹が出る前から腫れることもあり、発疹が消えた後もしばらく腫れが続くことがあります。
その他の症状としては、鼻水、くしゃみ、咳など、風邪のような軽い症状や目の充血、まれに、関節の痛みや腫れを伴うことがあります(成人女性に多く見られます)。
三日ばしか(風疹)の治療法
主な治療法
三日ばしか(風疹)には、ウイルスそのものをやっつける特効薬はありません。 そのため、症状を和らげて、お子さんができるだけ楽に過ごせるようにする「対症療法」が治療の中心となります。ほとんどの場合、自然に治っていく病気です。
安静と休養
お子さんの体力を温存し、回復を促すために、お家でゆっくり休ませてあげましょう。
発熱への対応
熱がある場合は、お子さん用の解熱剤を処方することがあります。水分補給をしっかり行い、体を冷やしすぎないように安静に過ごしましょう。
かゆみに対する治療(必要な場合)
発疹にかゆみがある場合は、お子さん用のかゆみ止め(抗ヒスタミン薬)を処方することがあります。
水分補給と栄養補給
発熱で汗をかくこともあるため、こまめな水分補給を心がけましょう。湯冷まし、麦茶、経口補水液、お子さんが好きな果汁などを与えましょう。
口の中の症状はほとんどないため、普段通りの食事で大丈夫なことが多いです。
合併症への注意と対策
風疹は比較的軽い病気ですが、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病といった合併症を引き起こすことがあります。お子さんがぐったりしている、何度も吐く、頭痛を訴える、けいれんを起こすなど、いつもと違う様子が見られたら、迷わず救急車を呼ぶか、すぐに医療機関を受診してください。
最も重要なのは、妊娠初期の女性への感染を避けることです。お子さんが風疹と診断されたら、周囲に妊婦さんがいないかを確認し、感染拡大を防ぐ対策を徹底しましょう。
当院では、小児皮膚科の専門知識を持つ皮膚科医が、お子さんの三日ばしか(風疹)の診断と、皮膚症状への適切なケアに関して豊富な経験を持っています。風疹は重い合併症のリスクは低いですが、社会全体での予防が非常に重要な病気です。保護者の方の不安に寄り添いながら、ご家庭でできるケアの方法や、特に妊婦さんへの感染予防について丁寧にご説明します。「このクリニックなら安心して相談できる」と感じていただけるよう、きめ細やかなサポートを心がけています。
日常生活でできること・ご家庭でのケアのポイント
具体的な対策
三日ばしか(風疹)のお子さんが早く回復し、特にご家族や周りの方(特に妊婦さん)への感染を防ぐためには、ご家庭での正しいケアがとても大切です。日々の生活の中で、以下のポイントを意識して実践しましょう。
安静と休養の確保
お子さんの体力を温存し、回復を促すために、お家でゆっくり休ませてあげましょう。発熱や発疹がある間は、無理な活動は避け、睡眠時間を十分に確保しましょう。お子さんが快適に過ごせるように、室温や湿度を適切に保ちましょう。
感染予防の徹底
風疹は飛沫感染でうつるため、お子さんが咳やくしゃみをする際は、口と鼻を覆うように指導しましょう。
排泄後、食事の前、お子さんのケアの後など、石鹸と流水でこまめに手洗いを徹底しましょう。お子さん自身にも手洗いを促しましょう。
お子さんのタオルや、口に触れる可能性のあるものは、他のご家族や兄弟姉妹と共有しないようにしましょう。
お子さんがよく触れるおもちゃや、共有する可能性のあるものは、こまめに消毒(アルコール消毒や熱湯消毒など)しましょう。
お子さんが咳やくしゃみをする際は、ティッシュや腕で口と鼻を覆うように教えましょう。
妊婦さんへの感染予防
お子さんが風疹と診断されたら、特に周囲に妊娠初期(妊娠20週頃まで)の女性がいないか確認し、接触を厳しく制限することが非常に重要です。妊娠初期の女性が風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんに先天性風疹症候群(心臓の病気、目や耳の障害など)という重い障害が起こる可能性があるため、細心の注意を払いましょう。
発疹のケア
発疹はかゆみが少ないことがほとんどなので、特別なケアは不要な場合が多いです。もし、発疹をかゆがったり、炎症を起こしたりしている場合は、医師から処方されたかゆみ止めやかゆみを抑える軟膏を塗布することができます。掻き壊しを防ぐために、爪を短く切ることも大切です。
発疹は自然に消えていくため、無理にいじったり、刺激したりする必要はありません。
入浴
体を清潔に保つため、毎日入浴させましょう。シャワーで体を洗い流すようにし、湯船に浸からせても問題ありません。(麻疹(はしか)とは異なり、湯船を介した感染リスクは低いとされていますが、念のため家族と別に入浴したり、最後に湯船に入るなどの配慮をする方もいらっしゃいます。)
やってはいけないこと・避けるべきこと
・症状を放置する:
妊娠中の女性への感染リスクがあるため、自己判断で放置せず、必ず小児科などの医療機関を受診しましょう。
・高熱があるのに無理に登園・登校させる:
お子さんの体力を消耗しますし、他の子にうつしてしまう可能性があります。
・自己判断で薬を途中でやめる:
医師の指示通りに、最後まで服用しましょう。
よくある質問(FAQ)
三日ばしか(風疹)は、予防接種で防げますか?何歳で受けられますか?
はい、三日ばしか(風疹)は予防接種で確実に予防できる病気です。予防接種を受けることが、お子さんやご自身、そして周りの人々(特に妊婦さん)を風疹から守るための最も有効で確実な方法です。
日本では、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)が定期接種として推奨されています。
・1回目(第1期):
生後12ヶ月(1歳)から2歳未満のお子さんが対象です。標準的には1歳のお誕生日を迎えたら、なるべく早く接種しましょう。
・2回目(第2期):
小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)のお子さんが対象です。
2回の接種で、95%以上の方が十分な免疫を獲得できるとされています。かかりつけの小児科の先生と相談して、忘れずに接種しましょう。
三日ばしか(風疹)と、はしか(麻疹)は同じ病気ですか?どう違うのですか?
いいえ、三日ばしか(風疹)と、はしか(麻疹)は、症状が似ていますが、原因となるウイルスが異なります。
・三日ばしか(風疹):
風疹ウイルスが原因です。発熱や発疹が比較的軽く、リンパ節の腫れが特徴です。感染経路は飛沫感染が主です。妊娠中の女性に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を引き起こす可能性があります。
・はしか(麻疹):
麻疹ウイルスが原因です。より感染力が強く、高熱と全身性の発疹、目の充血、咳などの症状が強く出ます。口の中にコプリック斑という特徴的な白い斑点が見られます。空気感染もするため、非常に感染力が強く、肺炎や脳炎などの重い合併症を引き起こしやすい、より重篤な病気です。
ご家庭で判断するのは難しいため、発熱と発疹が出た場合は、必ず小児科や皮膚科を受診して正確な診断を受けましょう。
三日ばしか(風疹)と、突発性発疹は同じ病気ですか?どう違うのですか?
いいえ、三日ばしか(風疹)と突発性発疹は、全く異なる病気です。
・三日ばしか(風疹):
風疹ウイルスが原因です。発熱と同時に発疹が出ることが多いです。感染力があります。
・突発性発疹:
ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)が原因です。特徴は、高熱が3~4日続き、熱が下がったと同時に全身に発疹が出ることです。発疹はかゆみが少なく、数日で消えます。熱性けいれんのリスクがありますが、通常は軽症です。
ご家庭で判断するのは難しいため、発熱と発疹が出た場合は、必ず小児科や皮膚科を受診して正確な診断を受けましょう。
大人が三日ばしか(風疹)にかかると、子供と比べて重くなりますか?
はい、大人が三日ばしか(風疹)にかかると、子供が発症するよりも症状が重くなる傾向があります。発熱や発疹が長く続いたり、関節痛を伴うことが多いです(特に成人女性に多く見られます。)。まれに脳炎や血小板減少性紫斑病といった合併症を引き起こし、入院が必要になることもあります。
そのため、予防接種を受けていない大人は、積極的に予防接種を検討することが重要です。特に、妊娠を希望する女性やそのパートナーは、抗体検査や予防接種を強くお勧めします。
妊娠中に三日ばしか(風疹)にかかると、おなかの赤ちゃんにどのような影響がありますか?
妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんに先天性風疹症候群(CRS)という重い障害が起こる可能性があります。これは風疹の最も重大な問題です。
先天性風疹症候群の主な症状は、以下の3つが特徴的です。
・先天性心疾患:心臓の奇形など。
・白内障:目の水晶体が濁る。
・難聴:耳が聞こえにくくなる。
その他にも、網膜症、緑内障、肝臓や脾臓の腫れ、血小板減少など、様々な症状が現れることがあります。妊娠初期に感染するほど、赤ちゃんに障害が起こるリスクが高くなります(妊娠2ヶ月で約35%、妊娠3ヶ月で約18%)。そのため、妊娠を希望する女性や、妊婦さんの周りのご家族は、必ず風疹の予防接種を受け、免疫をつけておくことが極めて重要です。
三日ばしか(風疹)の症状がある間、保育園や幼稚園、学校は休ませるべきですか?
三日ばしか(風疹)は、発熱や発疹などお子さんの全身状態が悪い場合は、お家で休ませましょう。
症状が改善し、食事が摂れるようになり、解熱していて、全身状態が良ければ、発疹が残っていても登園・登校は可能です。
ただし、風疹ウイルスは、発疹が出る1週間前から、発疹が出て2~3日後くらいまで感染力があります。そのため、周囲に妊婦さんがいる可能性がある場合は、特に注意が必要です。 保育園や幼稚園によっては、独自の登園基準を設けている場合もあるので、必ず事前に園や学校に確認し、医師の指示に従いましょう。
24時間WEB予約受付中
当院では、お子さんの皮膚の状態を正確に診察し、ご家族の不安に寄り添いながら、お子さんにとって最適なケアとご家庭での対策を丁寧にご説明します。風疹は、特に妊婦さんへの感染予防が社会的に重要な病気ですので、気になることや不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
お子さんとご家族が、安心して笑顔で毎日を過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。
監修医情報
略歴
-
2003年
名古屋工業大学 卒業後
愛知県名古屋市の建築設計会社 勤務 -
2008年
琉球大学医学部 入学
-
2014年
ハートライフ病院 初期研修
-
2016年
琉球大学皮膚科 入局
皮膚科学講座助教、病棟医長を経て、 -
2023年
沖縄皮膚科医院 開業
資格・所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本小児皮膚科学会
- 日本アレルギー学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本皮膚悪性腫瘍学会
- 日本皮膚免疫アレルギー学会
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会認定皮膚科指導医
- 難病指導医
- 小児慢性特定疾病指定医